とうとう結婚式の日取りが決まりました。
来年の春。場所はグアム。
この一ヶ月、私と彼はその相談ばかりしていました。
すべてが楽しく、夢に溢れていました。
幸せの二文字が私の心と体を支配して
どんな毎日でも良かったと思える、
そういう日々でした。
しかし、ひとつだけ重苦しい気分になる瞬間がありました。
それは、故郷に置いてきた友達に結婚の報告をすること。
ただの友達なら、祝福をもらうだけで嬉しかったはずでした。
でもその友達はちょっと事情が違うのです。
その友達は、うつ病を患っていました。
私が彼女と知り合ったのは高校一年の頃。
同級生で、席も隣りで一番最初に話しかけ、一番最初に仲良くなりました。
趣味も合い、将来の夢を語り、一緒に会社を作らないかと誘われたこともある
大親友とお互いに言い合った仲でした。
彼女は高校と専門学校を卒業後、地元を離れ、神奈川で数々の仕事をしてきました。
ところが、その最後の仕事場でトラブルが発生し、
彼女は人間関係が元で鬱になり、その後定職につくことができなくなりました。
それを支えてくれたのは彼女と同居していた年の離れた彼氏でした。
彼は8年か9年か・・・それくらいの期間を彼女と過ごし
「鬱が治ったら結婚しよう」と言っていましたが
彼女の鬱はひどくなる一方で、彼は生活を支えることだけで精一杯になり
とうとうそれも限界を迎えて、二人は別れることになりました。
どうして私がこれほど詳しくなっているのかというと、
私も何度か彼氏さんとお会いして相談を受けていたからです。
もちろん彼女には秘密でした。
神奈川と私がかつて住んでいたところでは電車で二時間ほどの距離があり
行き来はけっこう大変だったのですが
私は彼女の病気が心配で、一ヶ月に一度くらいは遊びに行っていました。
彼女は家に引きこもった状態で、刺激がないと良くないことを考えるから
チャットをしたりメールをしたり、何でも彼女の話を聞きました。
彼氏の話をする彼女を羨ましく思ったり、
彼氏とケンカすると彼女が自殺を図りそうになるので、励ましたり、怒ったり
必死で生活をつなぎとめようとする彼氏さんには同情したりしていました。
あの頃、世界は彼女を中心に回っていたのではないかというくらい
私と彼女の彼氏は振り回されていたように思います。
でも、とうとう「彼女には鬱を治す気などないんだ」と彼氏があきらめてしまったことで
そんな生活は終止符を打ち、彼女は地元に帰ってきました。
ちょうどその頃です。
私が今の彼と出会ったのは。
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